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屋根・外壁塗装に使われる「フッ素塗料」とは?特徴や価格相場などを解説

2021.06.28
外壁塗装の塗料にはさまざまなグレードがあり、数あるグレードの中で上級グレードにあたる塗料の一つがフッ素塗料です。

フッ素塗料はグレードが高い塗料なので、アクリル塗料やシリコン塗料などを比較して単価が高く、施工費用が高額になりがちです。しかし、耐用年数が長いなず優れた性能を持つので、「高くても選ぶ価値があるのかな?」と悩んでいる方もいるでしょう。

そこで今回は、フッ素塗料の特徴やメリット・デメリット、どのような人におすすめかなどを解説します。塗料選びで悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

フッ素塗料とは?5つの優れた性質を持つ


「そもそもフッ素塗料はどのような性質を持つ塗料なの?」
「費用が高い分、高性能なの?」
など、フッ素塗料に関する疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、フッ素塗料の性質について解説します。

耐久性・耐候性

フッ素塗料は耐久性・耐候性に優れていることが特徴の一つです。

フッ素塗料は外壁にしっかりと密着するため、雨や風、紫外線にさらされても隙間ができず、外壁をしっかりと守ります。他のグレードの塗料と比較しても、フッ素塗料の耐用年数の長さがわかるでしょう。

塗料の種類 外壁塗装での耐用年数 屋根塗装での耐用年数
アクリル塗料 3〜5年 3〜5年
ウレタン塗料 5〜8年 4〜7年
シリコン塗料 8〜12年 7〜11年
フッ素塗料 15〜18年 12〜15年

フッ素塗料で外壁塗装を行った場合、15〜18年程度は再塗装が不要になります。また、フッ素塗料に含まれるフッ素樹脂は紫外線で破壊されにくい性質を持つので、屋外で紫外線の影響を受け続ける屋根が外壁に適した性質を持ちます。

親水性

フッ素塗料は親水性が高いことも特徴です。

親水性とは、水に対して親和性が高い物質のことで、水に混ざりやすかったり、溶けやすかったりします。外壁塗装でいうと外壁表面に水が広がるように膜を作り、ゴミも一緒に洗い流してくれるので、よい状態の外壁を維持しやすくなります。

防藻性・防カビ性

防藻性・防カビ性があることもフッ素塗料の特徴です。

住宅によっては、風通しが悪く湿気がこもりやすい場所があったり、北側で太陽の光が当たりにくかったりして、カビやコケの発生に悩んでいるケースもあるのではないでしょうか。

フッ素塗料なら防藻性・防カビ性があるので、カビやコケ、藻の発生を抑えられ、住宅の美観を維持しやすくなります。

耐摩耗性

外壁塗装は時間が経過するとともに摩耗して光沢が失われます。「新築のときは光沢感のある外壁だったのに、年数が経つうちに光沢感がなくなってしまった」というのは、外壁塗装が摩耗しているのが原因の一つです。

外壁塗装で主流のシリコン塗料は10年で光沢感が20%減少するとされているのに対し、フッ素塗料は20年で10%しか光沢感が減少しません。

フッ素塗料なら、いつまでも新築のような美しい外壁を維持しやすいといえるでしょう。

耐薬品性

外壁塗装における耐薬品性とは、塗膜が酸やアルカリ、塩などの薬品の溶液に浸しても変化しにくい性質のことです。

フッ素塗料は耐薬品性に優れているので、海沿いで塩による外壁塗装の劣化が起こりやすい場合や、酸性雨にも強く、他の塗料と比較して状態を維持しやすいといえます。

フッ素塗料の価格相場


フッ素塗料は高性能で耐用年数が長いことがわかりましたが、その分「単価が高いのでは?」と疑問に感じる方も多いでしょう。

塗料の種類ごとの単価相場は以下の通りです。

塗料の種類 1㎡あたりの単価相場
アクリル塗料 1,000〜1,200円/㎡
ウレタン塗料 1,800〜2,000円/㎡
シリコン塗料 2,500〜3,500円/㎡
フッ素塗料 3,500〜4,500円/㎡

このように、他のグレードの塗料と比較しても、フッ素塗料の単価相場は高い部類に入ります。

しかし、アクリル塗料やウレタン塗料を外壁塗装で使用すると耐用年数が10年以下、シリコン塗料は10~15年であるのに対し、フッ素塗料は少なくとも15年、長ければ18年程度塗り替えが不要になります。

フッ素塗料のメリット


フッ素塗料は単価が高いですが、他の塗料と比較して費用面以外にさまざまな魅力がある塗料です。

では、フッ素塗料にはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

耐用年数が長い

フッ素塗料の最大のメリットは、耐用年数が長いことです。

外壁塗装は住まいの美観を維持するだけでなく、雨風や紫外線から住まいを守る役割を担っています。グレードの低い塗料の場合、10年以内に塗り替えを行わなければなりません。

外壁塗装を行うときは、依頼する業者を探したり、点検してもらったりする必要があるうえに、施工期間は10〜14日ほどかかるのが一般的です。施工期間中は足場や臭いの問題から洗濯物を外に干せない、近隣住民の方に配慮しなければならないといったストレスもかかるでしょう。

フッ素塗料は一度施工してしまえば15〜18年ほどメンテナンスが不要になるので、外壁塗装にかかるメンテナンスの負担を抑えられます。

メンテナンスコストを抑えやすい

フッ素塗料は単価こそ高額ですが、塗り替えの頻度を抑えられるので将来的にかかるメンテナンスコストを抑えられるケースもあります。

【塗料の費用】
塗料の種類 1㎡あたりの塗料の単価(下塗り含む3回塗りの合計) 40坪の住宅に必要な塗料の費用(塗装面積158.4㎡あたり)
ウレタン塗料 1,800〜2,000円 285,120〜316,800円
フッ素塗料 3,500〜4,500円 554,400〜712,800円

【塗り替えの頻度】
  耐用年数 30年間の塗り替え回数
ウレタン塗料 5〜8年 3.7回(8年に一度の塗り替え)
フッ素塗料 15〜18年 1.6回(18年に一度の塗り替え)

ウレタン塗料の1回あたりの塗料の費用は約30万円、フッ素塗料の1回あたりの塗料の費用は約60万円とすると、30年間でかかるメンテナンスコストは以下の通りです。

・アクリル塗料:30万円×3.7回=111万円
・シリコン塗料:60万円×1.6回=96万円

1回あたりの費用はフッ素塗料が高いですが、将来的にかかるコストはフッ素塗料の方が安く抑えられます。また、こちらの費用には足場代や養生代などが含まれていないため、実際にかかる費用はさらに大きな差になるでしょう。

光沢のある仕上がりになる

フッ素塗料は光沢やツヤのある仕上がりになり、外壁・屋根塗装を行うと見た目でわかるほどきれいになります。とくに耐摩耗性の高いフッ素塗料は、20年で10%しか光沢感が失われないので、美しい外壁を長く維持しやすいでしょう。

さらに、親水性が高いので、雨が降ると同時に外壁表面に付着している汚れを落としてくれる効果もあり、さまざまな性質が相まって外壁の美観を長く維持できます。

フッ素塗料のデメリット


フッ素塗料はグレードの高い塗料であり、さまざまなメリットがあるとわかりましたが、デメリットもあります。

ここでは、フッ素塗料のデメリットについて解説します。

施工費用が高額になる

フッ素塗料はグレードの高い塗料である分、単価が高いので施工費用は高額になりがちです。

そのため、1回あたりの施工費用だけを比較するとウレタン塗料やシリコン塗料の方が安く抑えられます。

「将来かかるメンテナンスコストよりも、直近でかかる外壁塗装のコストを抑えたい」
「10年以上住む予定がない」
といった場合は、低単価の塗料を使う方が適しているでしょう。

光沢感のある塗料が大半である

外壁塗装の塗料は「ツヤあり」「ツヤなし」の2種類に大別できますが、フッ素塗料は「ツヤあり」の塗料が多い傾向にあります。

水性塗料のなかにはツヤ消しタイプの塗料はあるものの、数が限られているので色などの選択肢が多くありません。また、ツヤ消しタイプのフッ素塗料は比較的新しい塗料なので、施工事例も少ないでしょう。

塗膜が固くなりやすい

外壁・屋根塗装では、塗料が塗膜を形成することで、外壁材や屋根材に雨水が侵入したり、紫外線や熱によってダメージを受けたりするのを防いでいます。

このように、外壁・屋根塗装において塗膜は重要な役割を担っていますが、フッ素塗料によって形成される塗膜は硬い傾向にあり、ひび割れやすいのがデメリットの一つです。

簡単にひび割れるわけではありませんが、温度や水分量の変化で伸縮しやすいモルタル外壁やコンクリート外壁、大通りに面しているなどで振動の多い住宅には不向きでしょう。

モルタル外壁やコンクリート外壁に採用できないわけではありませんが、施工実績や技術力が確かな業者に依頼することがポイントです。

大手塗料メーカーのフッ素塗料を紹介


フッ素塗料を販売している大手塗料メーカーの製品と特徴を紹介します。

塗料選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

日本ペイント

日本ペイントは日本最大手の塗料メーカーであり、さまざまなフッ素塗料を販売しており以下のような商品があります。

・ファイン4Fセラミック
・サーモアイ4F
・ファイン4Fベスト
・ピュアライドUVプロテクト

塗装できる外壁材の種類や用途(外壁・屋根)、水性・油性、耐用年数、価格などに違いがあります。

たとえば、「ファイン4Fセラミック」は主流のフッ素塗料であり、コンクリートやモルタル、金属外壁などに採用可能です。耐用年数は15年以上なので、長期間美しさを維持できます。

エスケー化研

世界トップ10以内に数えられる有名塗料メーカーであるエスケー化研も、さまざまなフッ素塗料を製造・販売しています。

・クリーンマイルドフッソ
・スーパーセラタイトF
・クールタイトF
・ルーフスターF

「クリーンマイルドフッソ」はコンクリートやセメント、モルタル、ALCパネル、各種サイディングボード、金属外壁などさまざまな外壁材に塗装可能であり、耐用年数は15〜20年となっています。

ツヤの程度はツヤあり・7分ツヤ・5分ツヤ・3分ツヤが選べるので、ピカピカの外壁に抵抗がある方でも採用しやすい塗料です。

関西ペイント

建築用や自動車、船舶などの塗料を製造・販売している関西ペイントでは、以下のような外壁・屋根塗装用のフッ素塗料があります。

・セラMフッソ
・アレスアクアフッソⅡ(上塗)
・スーパーフッソルーフペイント
・アレスクール2液F

「セラMフッソ」は外壁塗装としてだけでなく、内装用にも使用可能な幅広い用途がある塗料です。

耐用年数は15〜20年、ツヤの程度はツヤあり・7分ツヤ・5分ツヤ・3分ツヤの4種類が選べます。

フッ素塗料はどのような場合におすすめ?


フッ素塗料は高い耐久性や親水性、耐摩耗性などの性質を持ち、高性能であることは間違いありませんが、すべての住宅におすすめできるわけではありません。

フッ素塗料は、外壁・屋根塗装において以下のような条件を求める人におすすめです。

・将来的にかかるメンテナンスコストを抑えたい
・メンテナンスサイクルをできるだけ長くしたい
・塗装予定の住まいに10年以上住み続ける予定がある
・光沢・ツヤのある仕上がりが好みである
・海沿いに住んでいて塗装が劣化しやすい
・コケやカビ、藻などが発生しやすく悩んでいる

このような条件に当てはまる場合は、フッ素塗料が適しているでしょう。反対に、施工費用をできるだけ抑えたい、マットな仕上がりにしたいといった方には不向きなので、外壁・屋根塗装で何を実現したいか考えるようにしましょう。

フッ素塗料による屋根・外壁塗装を安く抑える方法


「フッ素塗料は魅力的だけど、費用面だけがネックになっている」
という方も多いのではないでしょうか。

ここでは、フッ素塗料で屋根・外壁塗装を行うときに費用を抑える方法を解説します。

屋根と外壁塗装を同時に行う

外壁・屋根塗装を行う際、同時に行うことで将来的にかかるメンテンコストの節約につながります。

塗装工事は塗料が大きなウエイトを占めていますが、足場代も高額であり30坪2階建ての住宅にかかる足場代は20万円ほどです。

10年に一度を目安に屋根塗装と外壁塗装を別々に行った場合、30年のうちに計6回の工事が発生し、足場代に120万円かかる計算になります。一方、同じタイミングで工事を行うと足場を組むのが3回に半減し、60万円の足場代で済みます。

同時施工を行うことで一回あたりの費用は高くなりますが、将来、メンテナンスにかかる総額でみると費用を抑えられるので、フッ素塗料に予算を回しやすくなるでしょう。

信頼できる業者を選ぶ

信頼できる業者に依頼することも、費用を抑える方法の一つです。

優良業者なら、適正価格で費用を提示してくれることに加え、施工不良が少ないので塗料本来の耐用年数が維持できる可能性が高いからです。

反対に、悪徳業者に依頼してしまった場合、相場よりも割高な費用を提示されたり、契約した塗料よりも安価な塗料を勝手に使用されたりするケースがあるほか、手抜き工事による施工不良で数年で塗装が剥がれるなど、さまざまなトラブルにつながるリスクがあります。

トラブルになると同時に不要な支出が発生する可能性が高いため、複数の業者を比較して優良業者に依頼するようにしましょう。

住宅の劣化が深刻化する前に塗装を行う

外壁・屋根塗装は少なくとも数十万円以上の出費が発生するため、「今じゃなくても大丈夫だろう」とつい後回しにしがちです。

しかし、外壁や屋根の劣化が深刻化した状態でメンテナンスを行うとなると、一般的な塗装工事では必要ない補修工事が必要となり、費用が高額になりがちです。とくにシロアリや雨漏りが見つかると、大がかりな補修工事が必要になります。

劣化が深刻化していない状態でメンテナンスを行うことで、結果的に費用を抑えやすくなるので、早めにメンテナンスを検討し始めましょう。

まとめ

今回はフッ素塗料の特徴やメリット・デメリットなどを解説しました。

フッ素塗料は外壁塗装で15〜18年、屋根塗装で12〜15年の耐用年数が期待でき、親水性や耐摩耗性、防藻性・防カビ性など外壁・屋根塗装に求められるさまざまな性能を兼ね備えた塗料です。

ただ、塗料の単価が高額で、ツヤのある塗料が多いといった注意点もあるので、すべての住宅に適しているわけではありません。外壁・屋根塗装を検討されている方は、どのような希望を叶えたいのか明確にしたうえで、フッ素塗料が最適であるか検討するのがおすすめです。

ぜひ今回の記事を参考に、フッ素塗料の特徴を踏まえて納得できる外壁・屋根塗装を実現してください。
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